コロナ後のSDGs、日本企業はいかに経営戦略に落とし込むべきか

NELIS代表理事のピーターD・ピーダーセン氏

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新型コロナウイルスで傷ついた経済と社会の復興に向けた議論が国内外で始まっている。持続可能な開発目標(SDGs)達成への貢献を宣言した企業にとっては、新しい経済・社会構築に参加できるチャンスだ。しかし、海外に比べると日本企業の参加意欲は弱く思える。社会変革を支えるリーダー育成に取り組むNELIS代表理事のピーターD・ピーダーセン氏は「日本企業は自らの意思で進むべき道を選ぶべきだ」と提言する。(聞き手・編集委員・松木喬)

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―“コロナショック”がSDGsに与えた影響は。

「コロナはSDGsに大きな影響を与えた。国連の報告では貧困に置かれた人は増加し、非正規労働者も増えた。弱い立場の人ほど影響を受けており、SDGsの後退は否めない」

―欧州では後退を取り戻すというよりも、持続可能な形に経済・社会を作り替える議論が起きています。

「フランス政府はコロナで経済的影響を受けた企業への融資条件として環境対策を求めている。例えば航空業界は、環境負荷の低い機体への移行が支援条件だ。欧州は未来に投資しようと考える。ハンコやテレワークの議論をしている日本とは様子が違う」

「ビジネスリーダーも声を上げている。パリ協定達成を目指す企業の国際活動『SBT』は、各国政府と連携したグリーンリカバリー(緑の回復、脱炭素社会への移行)を求める宣言を出し、世界的な企業170社以上の経営トップが署名した」

―日本の署名は5社(※取材時)にとどまっています。

「日本企業は安定を望む。元に戻すために努力は必要としないが、変化を起こすには意図と努力が求められる。コロナ後はグリーン戦略に進むチャンスだが、日本の経済界はリーダーシップを放棄しているように見える。日本企業は政府の意向を気にせずに、世界を見て進むべき道を選んでほしい」

―コロナ後のSDGsの取り組みは。

「バッジをつけて『SDGsをやっています』というだけなら意味がない。コロナは一過性だが、食料、水、資源、気候変動・エネルギーの四つの問題は人類史最大のピンチであり、最大のビジネスチャンスでもある。世界的な人口増加もあり、解決への時間を無駄にできない」

―日本企業にもビジネスチャンスです。

「サステナビリティー(持続可能性)に向けたイノベーションを起こせるか、どうか。それにはコロナ危機を契機と思えるか、どうかにかかっている。日本企業はそろそろ本領を発揮する時だ」(ウェブで実施)

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・SDGsに取り組んで自社にどのような影響があるのかが分からず、いまだに踏み込めていない方

日刊工業新聞2020年7月3日

COMMENT

松木喬
編集局第二産業部
編集委員

日本でも「官民一体」と言うが、欧州の官民連携にはスピード感がある。推進力が加われば、コロナ後の経済・社会において欧州企業が優位に立つ可能性がある。日本はどのような世界を目指すのか。SDGsを掲げた企業には、未来像を語ってほしい。できれば世界で存在感を示せる発信力も期待したい。そして企業が政府をけん引してほしい。

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