鹿島は8000億円投資、大手ゼネコンは建設DXや脱炭素化で攻めに出る
大手ゼネコンが高水準の投資を実行する新中期経営計画(2021―23年度)を策定した。鹿島は国内外の開発投資を大幅に引き上げ、前中計を2800億円強上回る3年間で8000億円規模の投資を目指す。大成建設は環境関連投資を強化し、前回を上回る3000億円超の投資を計画する。ゼネコン各社は生産性向上に向けた建設DX(デジタル変革)化や脱炭素化、再生可能エネルギーなどの技術開発を積極的に推進する。
鹿島の計画のうち最大の投資は国内・海外開発事業の6400億円(国内1900億円、海外4500億円)。欧米や東南アジアを中心に流通倉庫や複合施設の開発に向け積極的に投資し、3600億円の売却による投資回収を見込む。
また、生産性向上を目指し、次世代建設生産システム構築に向けたR&D(研究&開発)とデジタル投資に550億円を投じる。洋上風力発電などエネルギー事業の強化や新規事業の創出を目指すため、新たに戦略的投資枠を設定。M&A(合併・買収)、エネルギー、新ビジネスに600億円を投じる。その他の設備投資として450億円を見込む。
大成建設は環境対応と建設DX化に対して積極的に投資する。前中計は新型コロナウイルスで抑制していたが、新中計では前回の約1900億円から大幅に投資額を増やす。
ゼロ・エネルギー・ビル(ZEB)に向けた開発で、カーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)に向けた取り組みを加速する。DXでは、生産プロセスの効率化に向けたデータ利用のプラットフォーム(基盤)づくりに注力する。
日刊工業新聞2021年5月17日