ゼネコン大手は採算悪化で全社営業減益。重なったマイナス要因

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首都圏などの一部大型再開発で受注競争が激化

ゼネコン大手4社の2021年4―6月期連結決算が出そろい、全社が増収営業減益となった。受注が堅調な公共事業と手持ち建築工事の進捗(しんちょく)が順調で、売上高は伸びた。ただ建築での受注競争や大型土木工事の採算悪化が影響し、大幅な減益となった。一方、通期見通しは修正しなかった。ネット通販向け物流倉庫、データセンターなど建築の受注が好調で、土木でも設計変更による追加工事による収益改善を見込む。

前年同期は、新型コロナウイルスの影響で大型連休に一部の工事が中断したが、それ以降、ほぼ順調に工事の消化が進む。国土強靱(きょうじん)化に対応した公共工事も堅調だったため、今期は増収を確保した。鹿島や大成建設は大型開発物件の売却も寄与した。

一方、利益面ではマイナス要因が重なった。前年同期に貢献した好収益の大型再開発工事などが終わった反動や、土木でも一部大型工事の設計変更で採算が悪化した。海外事業もコロナの影響が終息していない。

21年4―6月期の建設事業の採算性を示す完成工事総利益率(単体)は全社で悪化した。鹿島は前年同期比5・4ポイント減の10・9%で唯一、2ケタを維持した。大林組は同2・3ポイント減の8・3%、大成建設が同6・2ポイント減の7・3%、清水建設が同3・3ポイント減の5・9%だった。

今後の受注については、物流倉庫や半導体関連、データセンターの好調が見込まれ、首都圏の大型再開発事業も動きだす見通し。清水建設の山口充穂経理部長は、「工事の大型化が進んでおり受注したいという動きが続く」とみており、さらなる受注競争の激化も予想される。

一方、海外事業は、北米は回復しつつあるが、新型コロナの変異株の感染拡大の影響で東南アジアの工事が相次ぎ中断しており、先行きが不透明になっている。

鉄鋼・鉄製品など資材価格が上昇傾向だが、「工事全体で使用する量は多くない。足元では値上げ傾向だが、今後は市況が落ち着くだろう」(大林組経理部)と、影響は軽微とみている。

日刊工業新聞2021年8月9日

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