航空機の加工ノウハウ生かし自動車の過給器受注、名古屋の中小企業がサプライズ
名南機械が自動車部品に参入
名南機械製作所(名古屋市南区、小林幸雄社長)は、航空機部品加工のノウハウを生かして自動車部品市場に参入する。ターボチャージャー(過給器)の量産部品を受注し、今秋をめどに出荷を始める。星崎工場(名古屋市南区)に関連加工設備8台を導入する。米ボーイングの不振により主力の航空機部品加工が苦戦する中、事業の幅を広げて収益を安定化させる。自動車部品で3年後に年間2億円の売り上げを目指す。星崎工場には複合加工機やマシニングセンター(MC)を本社工場から5台移設し、3台を購入する。総投資額は5000万円を見込む。
ターボチャージャー部品は、東海地区の製造業で組織する異業種交流会「中部部品加工協会」の活動を通じて自動車部品サプライヤー3社から受注した。航空機部品加工で培った水準の高い品質管理体制が評価された。
名南機械の2021年3月期の売上高は8億2000万円で、非航空機部門が6割を占める。自動車部品の試作や一般機械部品の製作を増やし、非航空機部門の売上高比率は8年前の13年3月期の約2倍に上昇した。自動車部品の量産で、さらに事業の幅を広げる。
中部部品加工協会は製缶、金型、鋳物など会員の業種別にチームを組み、共同受注活動を進めている。コロナ禍で新規開拓の訪問営業ができない会員各社が協力し、不得意分野の引き合いをチーム内で紹介し合う。
日刊工業新聞2021年4月15日