最大1000台が同時接続!ロームがスマートシティ向け無線通信モジュール開発
ロームは信号機や街路灯などへの実装で5キロメートル範囲の街全体をカバーし、スマートシティー(次世代環境都市)に必要な通信ネットワーク構築も可能な無線通信モジュールを開発した。IoT(モノのインターネット)向け国際無線通信の最新規格「Wi―SUN(ワイサン)FAN」に対応した業界初の製品。他の規格で困難な最大1000台が同時接続でき、障害回避性が高く、通信費も不要の広域ネットワークを構築できる。
同モジュールを使うソリューション提案で、すでに複数社が評価に入った。月5万個体制の生産能力は需要に応じ順次拡充する。モジュール価格は納入量などで異なる。
電気やガス、水道のスマートメーター、大規模太陽発電所(メガソーラー)の管理、高度道路交通システム、スマートビル・工場・物流の監視といった用途を想定する。
モジュールは親機、中継器、子機に使え、親機1台で最大1000台まで同時無線接続可能。同最大32台のワイファイなどより大規模。シグフォックスなどの省電力広域無線通信(LPWA)より高速で通信費はかからず低コスト運用できる。
日本発のWi―SUNは通信距離500メートル―1キロメートルとワイファイより長く、シグフォックスなどより通信速度が速い。障害物があっても回り込め、低消費電力でノイズに強い。
日本では電力スマートメーターで5000万台以上の導入実績があり、海外にも広がる。新規格のFANはフィールドエリアネットワークの略。中継器で網目状のメッシュネットワークを形成し、広域を面でカバーできる。
日刊工業新聞2021年1月26日