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ロームがオンラインでPR、バーチャル展示会の中身

個別の動画・ライブ配信

ロームは個々の顧客に対して新製品や新技術を紹介する技術交流展示会をオンライン化し、このほど運用を始めた。従来は顧客先に出向いて、会議室などでデモ機や製品パネルを並べて説明するほか、セミナーなども開いていたが、コロナ禍で2月から中断を余儀なくされた。そこでインターネットに期間限定の専用ページを設置。技術者のライブ配信、動画、パネルなどにより、顧客に対して自社製品や技術を訴求する。

自動車や産業機器、電機業界などの個々の顧客向けに「バーチャル技術交流展示会」を開催する。国内の顧客向けに先行スタートした。マニュアルを整備しつつ、海外拠点とノウハウを共有。11月からはグローバルに広げる。リアル展示会を再開済みの中国は遠隔地向けなどで併用する。

期間はリアル同様、半日か1日。開催1週間前に顧客へ事前登録を案内してプレページを開設。当日はイベントページで本社(京都市右京区)の仮設スタジオから技術者がライブで製品や課題解決、最新動向など発信し、質疑応答する。複数の営業担当者がオンライン待機して顧客に応じたビデオ会議システムでコンタクトできる。

特定の顧客向けに専用で提案する付加価値情報を盛り込んだデモ動画や製品パネルなどのコンテンツも顧客ごとに作成。開催翌日から2週間限定のアフターページを設け、当日に参加できなかった場合も、ライブ動画を含むコンテンツが後日でも確認できる。

従来、年間のリアル展は国内で約50回、海外で約70回開催していた。バーチャル展についても週1回の頻度で開きたい考え。リアル展に振り向けてきたリソースをデジタルに振り向けるとともに、関連部署も増強。ライブ配信の拡充やコックピット型デモ機の活用など、さらにコンテンツを充実させていくことも検討中だ。

閲覧性を考え、紹介製品は15点前後とリアル展の6分の1程度に絞るなど、従来との違いはあるが、現時点で顧客からの評判は良いという。すでに引き合いも複数来ており、今後も重要な営業ツールとして拡充していく。

日刊工業新聞2020年10月13日

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