ドコモ新社長が語る復権へのストーリー「メルカリとはまだ恋愛中」

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新料金プラン「アハモ」は起爆剤になるか(井伊基之社長)

NTTドコモが“復権”に向けアクセルを踏む。新料金プラン「アハモ」の投入で、若年層の顧客の開拓を強化。携帯通信サービスのシェアは業界1位だが売上高や営業利益は3番手という状況を打破する起爆剤としても期待が高まる。一方で収益源多様化に向けた活動も急がれる。井伊基之社長に戦略を聞いた。

―12月1日付で社長に就任しました。

「きっかけが(NTTによる)当社の完全子会社化で、それを担う立場としての就任だ。ドコモ単体の競争力強化だけでなく、グローバルも含めてグループが強くなるためにドコモをどう生かすかが使命。ただ、料金の発表などで目まぐるしく、戦略を考えるよりも目の前の課題解決からスタートしている」

―アハモ拡販のために対処すべき課題は。

「商業施設のような、他社の顧客も来る場所で営業活動をしっかりやる。単に料金だけだと他社も追随してくるので、宣伝で認知度を高めつつ、オンライン受け付けの操作性などを磨き上げたい」

―通信事業は、ARPU(契約者1人当たりの平均収入)の下落は一定程度許容しつつ、契約数を増やす方針なのですか。

「(相対的に単価の高い)大容量の利用者を増やすことでARPUも伸ばしたい。モバイルユーザー数が日本で爆発的に増えるわけではないので、データを大容量で使って頂く方向にコンテンツサービスなども含めてシフトする。それを加速するために料金を見直す。そんなに安いならばもっとたくさん使っても大丈夫、という流れを作っていきたい」

―M&A(合併・買収)の考え方は。

「必要だ。今までは少し他社に比べて控えめだった。我々の能力だけではヘルスケアやフィンテック(金融とITの融合)は広げられない。事業連携で良い事例もあるが、しっかり(知見などを)取り込もうとすると資本関係になる。(業務提携している)メルカリとはまだ“恋愛中”。結婚しないで付き合っていくやり方もある」

―ドコモの企業文化で変革が必要な点は。

「守りに入るところがある。意識が例えば『ライバルが何か手を打ってきたら、すぐ対応しよう』だった。アハモは逆で我々から攻めていく。原動力は危機感だ。健全な危機感を持って行動に移して下さい、と幹部にも社員にも言っている。若い顧客が少ないことは、とうの昔に分かっていた。その人たちが家庭を持ったとき、家族みんながドコモを使ってくれる可能性はない。そういうことが危機感だ。アハモは、もっと早くやればよかった」

記者の目/コンテンツ拡充カギ

大容量のデータ通信の需要は、魅力的なコンテンツがどれだけあるかで変わる。ドコモは高速大容量が特徴の第5世代通信(5G)の普及を急ぐが、現時点では法人向けも消費者向けも5Gを必須とする商材の品ぞろえが道半ばだ。拡充は自前主義ではおぼつかない。社外連携や意識改革を重視する姿勢は正しいが、実効性向上のためにも指導力が問われる。(斎藤弘和)

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