安川電機が製造現場のAI実装支援!ピッキング・鋳物不良を検出

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バラ積みピッキング分野で2年後には50案件の獲得を目指す

安川電機は製造現場での人工知能(AI)実装を拡大する。子会社のエイアイキューブ(東京都中央区)が、バラ積みピッキングに関するAIモデル開発環境の提供をこのほど始め、2年後には50案件の獲得を目指す。加えて、大量の画像データを作成してAIで不良を検出する技術の検証も開始。2020年度内にも開発環境を提供する。AI活用が難しいとされる製造現場に風穴を開ける。

バラ積みピッキング向けの開発環境は不定形物の把持を短時間・高精度で実現するのが特徴で、すでに複数社が導入した。エイアイキューブは製造現場のデータをシミュレーターで大量高速に自動生成、そこからAIを作成し実行形式に変換する技術「アリオム」を開発済み。まずはこれを、部品のバラ積みピッキングに適用した。

CADを通じて3Dデータを取り込み、デジタル上に多数の疑似部品を再現。これに実際の画像データを合わせAIに光の加減などを学習させる。パターンマッチングでは困難な、形状が変化するケーブルや半透明のプラスチックなども90%半ばの精度で把持。学習データの作成からAIモデル開発まで4―10時間程度で実現する。すでに顧客と連携し加工対象物の検証を始めており、実導入した案件も出ている。

20年度内にはアリオムを画像向けにも適用する。安川電機とエイアイキューブが連携し、鋳物の内部にできる空洞の検査工程で検証を進める。さらに波形データへの適用も視野に入れる。故障データを得るには加速劣化試験でも数カ月は必要となるが、アリオムで高速・大量にデータを生成し、AIモデルの開発を進める。

FA現場のデータをAIの学習用に活用するには、製品ごとのカスタマイズもあり極めて数が限られることが課題だった。AIモデルの開発にも数年を要し、これまで費用対効果が見合わなかった。

日刊工業新聞2020年12月16日

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