安川電機、ソニー、川崎重工、三菱電機...「ローカル5G」をどう活用する?
場所を限定して第5世代通信(5G)を使う「ローカル5G」への取り組みが相次いでいる。安川電機は2021年春開設する研究施設「安川テクノロジーセンタ(YTC)」でローカル5Gの実験環境を整える。ローカル5Gの免許を2020年度中にも取得予定。ソニーは新会社をこのほど立ち上げており、ローカル5Gを用いたインターネットサービスの提供を想定している。
安川電機はローカル5Gにより、ロボットやモーターなどの装置やセンサーから取得したデータを自由に活用できる状態を構築。工場レイアウトの自由度も増し、装置の位置を自由に変えられるほか、動ける範囲が決まっていたロボットも安全性を担保した上で移動する「モバイルロボティクス」などが実現できる。産業用ロボットメーカーでは川崎重工業や三菱電機もローカル5Gの実証実験の開始を発表。各社ともローカル5Gの活用ノウハウや技術の蓄積に取り組んでいる。
ソニーは「ソニーワイヤレスコミュニケーションズ」(東京都港区)を設立しており、新サービスの策定、免許の申請手続きなどを進める。ソニーは「リアリティー」「リアルタイム」「リモート」の“3R”の技術による価値創出や課題解決に力を入れており、新サービスも方針に沿った内容となりそう。
ソニーではこれまでも、映像制作や報道分野などでの5G実証実験を国内外企業と組んで盛んに行っている。
日刊工業新聞2020年11月23日