独開発の「ボルト型センサー」を生産する東大阪の中小企業のモノづくり力
ヤマナカゴーキン(大阪府東大阪市、山中雅仁社長)は、独コンセンサス(ダルムシュタット市)が開発したボルト型センサー「ピエゾボルト」の国内生産を始めた。既設のボルトと置き換えることで、ボルト締結場所の負荷状況の変化を監視できる。同センサーを組み込むダイセットなどの装置を含めたセンサー事業全体で、2025年をめどに年間10億円の売り上げを目指す。
ヤマナカゴーキンの東京工場(千葉県佐倉市)でボルト径6ミリ、8ミリ、10ミリ、12ミリメートルの4タイプの製造を始めた。コンセンサスは同12ミリ、16ミリ、20ミリメートルの3タイプをドイツの工場で生産している。ヤマナカゴーキンの生産分は日本に加え、コンセンサスへの販売を含め海外展開も計画。すでに少量の販売や引き合いがあるという。
ピエゾボルトは、ボルト内部に圧電素子を埋め込み、ボルトにかかる軸力の変化を測定する荷重センサー。ボルト締結場所の負荷状況のほか、金型などの微細な割れによる変化や予兆も検知可能だ。
鍛造金型の設計や製造を手がけるヤマナカゴーキンは、製造販売しているダイセットなどの装置にピエゾボルトを組み込んで付加価値を高める考え。同社は16年にコンセンサスと契約し、ピエゾボルトのアジア地区での販売と日本での製造権を取得していた。
日刊工業新聞2020年12月8日