産業機械の要素部品を見える化、THK「IoTサービス」の中身
THKはIoT(モノのインターネット)によって産業機械の要素部品の状態を「見える化」するサービスを拡大する。直動案内機器「LMガイド」で展開していたサービス「オムニエッジ」の対象製品を拡大し新たにボールネジにも対応。併せてポンプやモーターなど回転系部品の故障予兆検知の無償トライアルも始める。機械部品にセンサーを後付けしてデータを収集・分析し、状態を把握。装置の故障予測や予防保全を実現する。
ボールネジでは、振動センサーをナット部分に後付けする。センサーで取得した情報はTHKの小型エッジIPC(産業用パソコン)でデータに意味付けして顧客に提供する。異常な音や振動が出ると製品品質などにも影響するリスクがある。独自のアルゴリズムで分析し、部品の破損状態などを把握する。
2019年12月に提供を開始したオムニエッジは既存設備に後付けできる「レトロフィット」が特徴で、THKの製品以外にも対応する。直動案内機器で国内シェア約7割、海外シェア約5割の「LMガイド」からスタートしたが、今回はボールネジにも対象を広げた。料金はセンサー、IPC、ソフトウエア、通信費などをすべて含めて月額8000円(消費税抜き)から。
顧客のLMガイドへの同サービス導入実績は、年内に300装置まで積み上がる予定。またTHKの自社工場の設備でも同サービスを活用しており、LMガイドとボールネジの計700装置からデータを収集している。
また、無償トライアルとして実施するモーターなどの回転系部品の故障予兆検知では、センサーは有線・無線の二つの方法を選択してデータを収集する。ユーザー約30社とトライアルを予定しており、正式サービスは21年夏の発売を目指す。
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日刊工業新聞2020年11月16日