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「マインドフルネス」や「幸福度測定」。富士通ゼネラルの健康経営の中身

「マインドフルネス」や「幸福度測定」。富士通ゼネラルの健康経営の中身

健康デザインセンターではリラックスしながら仕事ができる空間がある

健康経営アップデート

富士通ゼネラルはゼロから健康経営に取り組み始めて3年が経過した。斎藤悦郎社長が健康経営最高責任者(CHO)を務め、積極的な投資と幅広い活動を通して社員の健康維持を後押しし、高ストレス対象者の減少などの成果をあげてきた。コロナ禍で社員の心のサポートも含め、求められる支援の形も変化している。これまでの健康経営の取り組みを基に、いま必要な支援を取り入れながら、より良い形を追求している。(川崎・大串菜月)

富士通ゼネラルの健康経営は斎藤社長と、富士通で健康経営を担当し、富士通ゼネラルへ出向したサステナビリティ推進本部健康経営推進部の佐藤光弘部長が中心となって取り組んでいる。まずは産業医や看護職の体制強化や、全社員約1500人の健康診断の実施といった社内体制を整備した。

続けて取り組んだのが職場の活性化。富士通ゼネラルは2000年ごろ、経営危機に陥り閉塞(へいそく)感が社内に漂っていた。「職場の雰囲気を変えていく中で、縦社会化していた会社の文化を耕す必要があった」(佐藤部長)。例えば社内ワークショップ「健康いきいきワールドカフェ」は1テーマに対して部門を超え、さまざまな社員とディスカッションを行う。会社の一体感を醸成しながら、自ら行動する力を身につけることができる。このように人づくりや企業文化づくりにも力を入れた。

19年には「健康デザインセンター」が完成した。健康管理室を大きくしたほか、卓球などの軽度な運動やリラックスして作業ができる空間を整備。このように毎年新たな取り組みを進めてきた結果として、従業員満足度は17年から20年で7%増加。そのほか生活習慣病のリスク対象者の減少といった効果を出してきた。

健康デザインセンターでは軽度な運動を通して社員同士の交流を図る

同社は健康経営の目的を「社員がイキイキと幸せを感じて働くこと」としており、会社にいる時も退社した後も社員一人ひとりが自立して健康を守ることを大切にしている。コロナ禍の新たな生活様式でも、佐藤部長は「一人ひとりが取り残されず、コミュニティーに属しているという安心感を与えたい」と、今求められる健康支援の形を考える。

そこで「マインドフルネス講座」開催や、スマートフォンアプリケーションによる幸福度測定・社内コミュニケーションの促進を実施。また健康デザインセンターでは定期的にイベントを開くなど、社内外の人がつながる場としての役割も持つ。仕事上だけでない関係を築き、社員の自立促進や孤独感の払拭(ふっしょく)に努める。

これまで社員の心身の健康を支えてきたフェーズを同社は「健康経営1・0」とした。次のステップは社員の家族や地域社会へ健康支援を拡大する「健康経営2・0」。社員の健康を支える家族と参加する健康促進イベントや、健康経営の導入を検討する企業へのコンサルティングなど、周囲も巻き込んで健康支援を推進する。社会の健康への理解を促進し、持続可能な社会の実現に貢献する。

日刊工業新聞2020年12月2日

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