日立建機が低価格ショベルを中国に投入、土木特化で価格競争に対応
日立建機は30日、中国市場で12トンと20トンクラスの油圧ショベルを12月に発売すると発表した。土木専用に特化し、現地調達部品を多用することなどで価格を抑え、中国の価格競争に対応できるようにした。中国市場での低価格ショベル投入は、10月に発売した6トンクラスのミニショベルに続くもの。2020年度に12トンクラスは200台、20トンクラスは80台の販売を目指す。
12トンの油圧ショベルは「ZX120―5A」、20トンは「同195―5A」で、いずれも中国国内の工場で生産する。競合する外資系企業の製品より価格を5―15%割安に設定した。
中国は世界的なコロナ禍からいち早く立ち直り、政府の景気対策もあって建設機械需要は旺盛だ。一方で現地メーカーが主導する価格競争に巻き込まれ、ブランドイメージが崩れることを心配する建機メーカーも多く、日立建機のように土木専用に特化し価格を引き下げたり、別ブランドで販売したりするなどで対応している。
今回の新製品2機種は時間単位で工事を請け負う個人チャーター業者向け。6トン、12トン、20トンと品ぞろえを増やすことでさまざまの工事に対応する。新製品は情報通信技術(ICT)を活用した見守りサービス「コンサイト」を搭載。故障の早期検知のほか、今後の中国市場での展開に稼働データを活用する。
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日刊工業新聞2020年12月1日