日立建機が欧州向けに電動ショベル販売、環境規制の対応

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日立建機の電動油圧ショベル「ZE85」

日立建機は欧州市場で電動油圧ショベルの受注活動を始めた。8トンクラス「ZE85」で、同社では主力機での電動ショベルの商品化は今回が初めて。新型コロナウイルス感染拡大で市場環境は良くないが、環境意識が高く規制が厳しい欧州に投入し、先行する欧州メーカーに対抗する。日本勢ではコマツも電動ショベルを開発済みで、レンタル車として国内に投入している。

日立建機ではZE85を欧州の販売会社である独EACと連携して開発。価格はエンジン車ショベルの2倍強となるが、排ガス規制の厳しい欧州市場では、普及促進のインセンティブなどを追い風に需要が伸びるとにらんだ。すでにノルウェーやドイツから引き合いが来ており、年内に25台強、2021年に50台の受注を狙う。

電動油圧ショベルはエンジン車のショベルと比べ、排出ガスがゼロで騒音も小さい利点がある。ZE85ではリチウムイオン電池を搭載し、運転質量8750キログラム、出力40キロワット。フル充電で3―4時間稼働でき、1時間以内で充電できる。

同社は06年にも7トン級の電動ショベル「ZX70B」を発売しているが、大型バッテリーが必要で価格も割高なため普及機ではなかった。ZE85は標準機と同じサイズに抑えたほか、稼働時間も大幅に向上。主力機種として位置付ける。同社では「現場で昼休み中に充電し、午前稼働と午後稼働で1日中使えるイメージ」(平見一郎マーケティング本部長)としている。

欧州は環境対応機器を普及させるため国や都市により、従来品との価格差の半分を補填するインセンティブ制度がある。環境対応をPRできる利点と合わせて、電動油圧ショベルでも競争力は保てると同社では見ている。現地では、スウェーデンのボルボCEも電動油圧ショベルを販売している。各社とも電動機の開発に力を入れているが、環境規制を追い風に、まずは欧州で販売競争が加速しそうだ。


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日刊工業新聞2020年10月23日

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