「話しかけるなオーラ」は厳禁!上司には「部下のための時間」が必要なワケ

#4 こんな上司には誰も付いてこない その3

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前回の「好みで評価やえこひいきをしてしまう」では、自分自身の考え方や感じ方、判断の癖を客観的に認知し、対策を練っていくことについて紹介しました。今回は「人の話をきちんと聞こうとしない」についてです。上司―部下の関係でなくとも、あてはまる事例です。

「話しかけるなオーラ」を出す上司は、職務を放棄しています。また部下が相談に来たときに、「忙しいから」と言って、話を聞こうともしないのは最悪の行為です。「そんなことは当たり前」と思う人がほとんどだと思います。
 では、実際に部下が話をはじめたとき、あなたは最後まできちんと部下の話を聞いているでしょうか?

コミュニケーションをしていて不快に感じる一つが、「話をきちんと聞いてくれない」ことです。ただ聞くだけなのに、そんな簡単なことすらやってくれないから、腹が立ちます。

自分が話はじめたときに、一度もこちらのことを見ずに、ノートPCやスマホの画面を見ながら話を聞く人がたまにいます。相手が上司でも、「おい、一度くらい、こちらを見ろ!」と言いたくもなります(多くの方が心の中で、そう思っているのではないでしょうか)。

また会話の途中で「知っている」と言われ、話を最後まで聞いてもらえないのも、感じが悪いものです。聞いている側の上司は、自分が既に知っていることを聞かされるのが嫌なので、つい口にしたり、態度に出たかもしれません。

「話が長い…」「だから結論は何?」と思うと、部下の話の途中にもかかわらず、ついつい口を挟んでしまう人がいます。部下が言おうとしていることをわかってしまうと、「はいはい、それって○○だよね」「要するに、○○ってこと?」と、一方的に話をまとめようとしてしまう人もいます。優秀な人ほどやりがちなミスです。みなさんは、どうでしょうか?

やることが多く、時間がないから、このような言動をしてしまうのかもしれません。ですが、これはよくありません。相手の「話をしたい」という気持ちを削ぎます。部下からすれば「話をもってかれた」とも感じます。部下は本来伝えたかったことを全部言えず、モヤモヤしていきます。上司に相談したいという気持ちがどんどんなくなっていきます。

私たちは自分の話を最後までしっかり聞いてくれる人を好みます。話を先読みして、会話を早めたり、奪ったりするのではなく、話を最後まで聞くことです。部下との会話では「自分の意見は、主役の相手の話を最後まで聞くまで言わない」という我慢も必要です。

ただ、なぜ私たちは、「このようなことは良くない」と頭ではわかっていても、ついついやってしまうのでしょうか?

それは、相手の話を聞くスキル云々ではなく、そもそも聞く余裕がないからです。普段から「人の話を聞こう」「違う意見を受け入れよう」と思っている方は多いと思います。しかし、「今、忙しい」「時間がない」と思ってしまうと、相手の話をきちんと聞くことができなくなります。そのため、ついつい相手の話を遮り、自分の意見を言ってしまうのです。

ここで大事なことは、話を聞く余裕と時間を確保することです。必要に応じて、その都度話し合うという進め方だと、自分の悪い癖が出てしまいます。より悪い影響や結果をもたらすこともあり得ます。

そうならないように、まずは、相手の話を落ち着いて聞けるよう、話すことの優先順位を上げることです。つまり、部下のための面談である「1on1」ミーティングをスケジュールすることです。そうすることで、その時間帯は「部下のための時間」とすることができます。また、映画やショーなどが始まる前にスマホをマナーモードに設定するような感覚で、ノートPCを閉じるなどすれば、他のことに注意を持っていかれなくなります。目の前にいる部下の話に集中できます。あなたの上司としての実力も発揮しやすくなるのです。

このような対策をしていかないと、上司自身、余裕がなく、事実をきちんと確認しながら聞いたり、判断したりすることができなくなります。思い込みや先入観を持って話を聞いてしまうかもしれません。自分と考えが違えば、「ひょっとしたら…」のような発想をすることもできず、単純に「イラッ」とさせられるかもしれません。相手の話を自分に起きたことや知っていることに合わせようと話をねじ曲げるリスクも出てきます。

多くの人が無意識に自分の経験や知識を基に話を聞き、理解しようとします。相手の話をよく聞かずに、自分は同じ経験をしているからわかると勘違いや誤解する人もいます。意外に厄介な問題です。相手の話をそのまま聞くことはそんなに簡単なことではありません。そのため、繰り返しになりますが、余裕を持って相手の話をきちんと聞くため、はじめから話す時間を確保することが大事なのです。

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飯田剛弘(いいだ よしひろ)

愛知県生まれ。2001年、南オレゴン大学卒業(全米大学優等生協会: Phi Kappa Phi 所属)後、インサイトテクノロジー入社。2004年よりインド企業とのソフトウェア共同開発プロジェクトに従事。その傍ら、プロジェクトマネジメント協会(PMI)の標準本の出版翻訳に携わる。マーケティングに特化後は、データベース監査市場にて2年連続シェア1位獲得に貢献。市場シェアを25.6%から47.9%に伸ばす(ミック経済研究所)。
 製造業の外資系企業FAROでは、日本、韓国、東南アジア、オセアニアのマーケティング責任者として、日本から海外にいるリモートチームをマネジメント。アジア太平洋地域でのマーケティングやプロジェクトに取り組む。人材育成や多様性のあるチーム作りにも力を入れ、1on1ミーティングは1,000回を超える。
 2020年、ビジネスファイターズ合同会社を設立。現在、多様なメンバーと協働し、グローバルビジネスで結果を出してきた経験を基に、経営やマーケティングの支援、グローバル人材の育成やリモートチームのマネジメント支援(研修・講習・執筆)など多方面で活動中。
 著書に『童話でわかるプロジェクトマネジメント』(秀和システム)、『仕事は「段取りとスケジュール」で9割決まる!』(明日香出版社)、『こじらせ仕事のトリセツ』(技術評論社)がある。
https://bizfighters.com/

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