RPA導入で月2680時間削減!懐疑的な声を乗り越えた神戸製鋼「納得の成果」

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一般社員がRPAソフトを開発できるようにEUC研修を行っている

神戸製鋼所ではRPA(ソフトウエアロボットによる業務自動化)が定着してきた。2017年度の導入以降、グループ企業を含めて累計で約350のロボットが稼働し、月2680時間の定型業務を削減した。20年度にエンド・ユーザー・コンピューティング(EUC)研修を開始し、一般社員がRPAソフトを開発するという新たな段階に入った。

「海のものとも山のものとも分からない」「本当に意味があるのか」。RPA導入当初、社内では懐疑的な声も聞かれた。しかし日々の報告や表計算などを順次自動化していくと、成果は一目瞭然。今では多くの社員が納得しているようだ。

RPAの対象は日常的で繰り返しが多い入力作業や、システムへのアップロードなどの業務。加古川製鉄所(兵庫県加古川市)や長府製造所(山口県下関市)などの製造現場や、東京・神戸両本社などの経理・財務系部門で活用している。

同社では従来、ソフト開発をIT企画部や関連会社のシステムエンジニア(SE)が担ってきた。EUC研修の目的は一般社員でもRPAを開発できるようにするためで、四半期に1回程度行う。20年度中に30人以上を育成する考えだ。開発で使用するRPAプラットフォーム「Uipath(ユーアイパス)」を習得させる。

「歴史ある製造業で真剣に取り組む企業はまだ多くない」(須藤徹也IT企画部担当部長)という中で、同社はEUCに注力している。開発コストを抑える狙いもあるが、プロの知見や経験を一般社員にも広げることは“働き方改革”に合致すると考えている。一般社員が自らの業務をRPAで自動化すれば最も効果的なものができるとみている。

今後はRPAを人工知能(AI)などと連携させて高度な判断が必要な業務の自動化を模索する。一方で単純業務を自動化し、創造性の高い仕事に社員をシフトする構想を描く。この「好循環」が構築できるか注目したい。(編集委員・山中久仁昭)

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RPA AI

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