RPAとの親和性高い保険業界、損保ジャパンは自動車保険料の返戻に対応

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研修会や衛星放送を通じてRPA活用の周知を図る

損害保険ジャパンは自然災害対応など幅広い業務でRPA(ソフトウエアロボットによる業務自動化)を導入している。RPAによる効果の創出時間は2019年度実績で年約38万時間。保険業界は定型業務が多く、RPAとの親和性が高い。

同社は17年度から「ゼロベースの仕事の棚卸し」を実施。これは“前例踏襲の打破”など複数の視点で生産性を向上させる全社的活動で、業務を見直して創出した時間を付加価値の高い価値創造業務に振り分ける。その過程でなくすことができない定型業務にRPAなどのデジタルツールを導入し始めた。

RPA導入は18年に新設した業務改革推進部が基幹的役割を果たす。営業や保険金サービスなどを経験した社員が在籍。導入部門とシステム開発を担うグループ会社との間にビジネスアナリストとして入り、エラーが少なく効果を最大限発揮できるRPAの開発に寄与。導入後もヒアリングを実施し、現場ニーズに即した改修や機能の拡充を行っている。

コロナ禍での出社人数の抑制を起点とする開発実績も生まれた。その一つが自動車保険料の返戻だ。自動車の所有者に加入が義務付けられている自賠責保険は4月に保険料が引き下げられた。同保険料の改定後、システムに反映される前に契約した顧客には差額を返戻しなければならない。その対応にRPAを活用した。

業務改革推進部の新屋正剛リーダーは「特定期間の業務で効果時間は少ないが、お客さま対応優先で特別に開発した」と振り返る。また、コロナ禍の長期化が見込まれる中、自宅から遠隔でRPAを稼働させる仕組みも検討しているという。

今後は人工知能(AI)を用いる光学式文字読み取り装置(OCR)との連携も考えている。RPAは書類などをデータ化する必要がある。そこでAI―OCRで紙をデータ化後、RPAで処理し、最後に人が確認する業務フローを構想中。RPAの活用レベルを一段上に押し上げる構えだ。(増重直樹)

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