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曙ブレーキ工業がRPAで工程2000時間減、会社全体の利益に繋げる

曙ブレーキ工業がRPAで工程2000時間減、会社全体の利益に繋げる

RPA導入を進める埼玉県羽生市の本社オフィス(曙ブレーキ工業提供)

曙ブレーキ工業は2018年1月にRPA(ソフトウエアロボットによる業務自動化)を試験導入し、翌年1月から本格導入した。18年は年換算で200―300時間、19年は同約1300時間の工数削減できる体制を整えた。20年は人事管理業務を中心にRPA導入を拡大する構えだ。

バックオフィス業務で人工知能(AI)を導入できないか―。「RPA導入のきっかけは当時の役員のひと言だった」と語るのは、コーポレート部門経営企画室の木村喜生担当課長。AI導入はレベルが高いと感じたが、「RPAだったら自社で運用ができるのでは」(木村担当課長)と導入を検討し始めた。

18年1月に試験導入するとともに、社内で説明会を行った。約40件の応募があり10件程度でRPAを導入し、有効性を確認。19年1月から本格導入し、50件程度まで拡大した。

RPAを導入した開発部署関係では数値をまとめる業務や、顧客からの発注情報を集計する営業支援などで活用している。20年は人事管理の業務でRPAの活用範囲を拡大していく方針。具体的には給与計算以外の採用・評価・労務管理などに関連するデータ処理などを計画する。

同社は外部コンサルタントなどを活用せずRPAを内製化して運用している。ノウハウが社内に蓄積できる一方で、これまで開発人員不足が課題だった。19年夏以降は担当者が木村担当課長の1人だけだった。今春に3人増員し、4人体制になった。これにより20年は19年比1・5倍の同2000時間の工数削減できる体制を目指す。

木村担当課長はRPAを社内に広めるため「『工数削減=ムダな仕事がある』ではなく、RPAで事務担当者の作業が楽になるというような説明を心がけている」と話す。RPA開発者だけでなく、問題発掘から改善、簡単な設計までできるRPAの社内専門家の育成も視野に入れる。RPAを通じて会社全体の利益につながるような仕組みづくりを進める。(鎌田正雄)

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