凸版印刷がヘルスケア市場深耕で新会社、苦境の印刷事業のカバーなるか

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トッパンメディカルファクトリーで製造する体外診断用医薬品(原発性アルドステロン症検査薬)

凸版印刷がヘルスケア市場での成長に向けて布石を打っている。16日、体外診断用医薬品を製造する新会社を日本モリマー(大阪市中央区)子会社のトラストメディカル(兵庫県加西市)と設立したと発表した。関連の事業会社を立ち上げるのは2019年以降2社目、25年度に50億円の売り上げを目指す。印刷事業の苦戦が続く中、新たな収益源を育成する。(国広伽奈子) 新会社は、トッパンメディカルファクトリー(兵庫県加西市)で、資本金は9000万円。持ち株比率はトラストメディカルが51%、凸版印刷は49%。検査キットの製造から出荷までの工程や、診断薬メーカーと連携したキットの設計・開発を手がける。 凸版は医療・医薬用包材や添付文書の製造の知見を持ち、トラストメディカルは体外診断薬のキット化や供給で実績がある。キットの製造や出荷などの工程は細分化されていたが、一貫したサービス提供で医療機関へのキット提供のスピードアップを図る。新型コロナウイルス感染症のPCR検査や抗原検査のキットにも対応している。 ペーパーレス化やデジタル化が加速する中、印刷業界では既存技術や知見を別の領域に活用する動きが活発だ。「医療やヘルスケア、衛生には5−10年で終わらない需要」(麿秀晴凸版印刷社長)があり有望な成長領域だ。 新規事業の確立に向けて他社との協業事例を増やしており、19年11月には日本医師会ORCA管理機構(東京都文京区)の子会社ICI(同)と資本業務提携を締結。認定医療情報等取扱受託事業者である同社と連携して、医療ビッグデータを用いた事業開発に取り組んでいる。 同時に自社内での新規事業の創出も進めている。19年10月に遠隔での服薬指導や処方箋薬の宅配サービスを手がけるおかぴファーマシーシステム(東京都千代田区)を設立。コロナ禍を受けてサービス提供を始めた。 競合の大日本印刷も、事業構造の変革による“第3の創業”への取り組みの中でヘルスケア市場に注目している。6月にはオンライン診療で活用できる画像補正サービスを新たに始めた。コロナ禍で大きく変わる医療市場で、印刷大手が活躍の機会を探っている。

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日刊工業新聞2020年11月17日

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