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オンライン化で“自社スタジオ”を構える企業が増えている!

オンライン化で“自社スタジオ”を構える企業が増えている!

セイコーウオッチが本社内に設置したスタジオ

4K、トラスで腕時計を美しく

セイコーウオッチ(東京都中央区、高橋修司社長、03・3564・2111)は、映像制作や配信に活用するための自社スタジオを本社内に開設した。販促活動に使う動画コンテンツの作成や、ウェブ会議システムを用いた配信などに用いる。新型コロナウイルス感染拡大の収束が見通せず映像活用の機会が増える中で、機材レンタルなどのコスト抑制につなげる。

会議室を改装して10月に運用を始めた。面積は約24平方メートル。4K撮影が可能なカメラ3台を導入しており、そのうち1台はトラスを組んで上部に設置。プレゼンテーションの際に、卓上にある腕時計の文字板や裏ぶたなどを映しやすくしている。準備期間は2カ月程度で設備投資額は非公開。

スタジオは主に国内外の代理店やメディア、現地法人に向けた説明会で流す動画や、オンラインイベントの撮影に用いる。機械式腕時計の組み立ての実演など、動画と相性の良い普及活動での活用も期待できる。会社説明会やOB・OG訪問など、販促活動以外の有効活用も見据える。

セイコーウオッチによると社内の会議室の需要は逼迫(ひっぱく)しているが、映像製作の重要度が高まっているため改装を決めた。これまで関係者向けの説明会やイベントは都内に招いたり、現地に赴いたりして開催してきたが、新型コロナ感染拡大のため実施しづらい状況が続く。質の高い情報発信をしやすい環境を整えることで、コロナ禍の影響を大きく受けた販売の回復に役立てる。

日刊工業新聞2020年11月16日

自社製品を使って開設

アイ・オー・データ機器は金沢市の本社ビルの一室を改装し、自社製品を用いた動画配信スタジオ(写真)を開設した。新型コロナウイルスの影響で直接商談機会の減少や展示会の中止が続くため、自ら動画を配信して製品情報を直接発信する。動画配信を試みたいユーザーに対し機材の使い方や社内へのスタジオ常設を提案するショールームの役割も担う。

スタジオの広さは約52平方メートル。改装前は社員の休憩室だった。スタジオを常設すれば都度の片付けが不要になる上、ウェブ会議でも活用できる。ユーザーは合計で25万円程度の機材をそろえれば動画配信が可能になる。

スタジオ整備ではプロ仕様になりすぎないように心がけた。浜田尚則社長(写真中央)は「ITが不得手な人でも安価で簡単に動画配信できると訴えていきたい」と語った。

日刊工業新聞2020年11月2日

計測をライブ配信

開設したテクニカルセンター

三弘(名古屋市昭和区、伊藤弘一郎社長、052・735・8888)は、本社内に計測機器でデモや試験ができるテクニカルセンターを開設した。愛知県に集積する自動車関連メーカーなど顧客と、全国の取引先の製品をつなげる役割を担う。新型コロナウイルスの感染拡大を背景に、オンラインセミナーの開催など、次世代情報発信拠点としても活用していく方針だ。

同社は自社製品のほか約500社の計測機器を取り扱う商社。新センターには豊田中央研究所(愛知県長久手市)と共同開発した応力負荷試験機など9台を設置。実際にサンプルを持ち込んでのデモや試験もできる。

今後はセンターを配信スタジオとするオンラインセミナーにも力を入れる。10月20日にはフォトニックラティス(仙台市青葉区)のガラスや樹脂など透明体の歪みを計測する装置のライブデモを予定。「コロナ後も世界的な技術の潮流や方向性を示す情報発信基地として活用していきたい」(椎名龍一郎三弘営業戦略部長)としている。

日刊工業新聞2020年9月10日

日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
展示会や販促活動の代わりに映像を配信する姿が当たり前の光景になってきました。映像関連の機器を扱う企業にとってはスタジオ開設が事業のアピールになる点も面白いと思います。オフィスにスタジオ併設は当たり前、という将来になれば関連機材の市場や製品の幅は今よりも広がりそうです。

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