NECがキャリア支援の新会社を設立、AIを駆使したマッチングも
NECは19日、全社員を対象に主体的なキャリア形成を支援する「NECライフキャリア」を完全子会社として設立したと発表した。社員一人ひとりに対し、多様な挑戦機会やフェアな評価、ベストを尽くせる環境を整備する。キャリアコンサルティング技能士など国家資格・専門資格を保つ社内のアドバイザーを中心に当初、20人で立ち上げる。
専門知識を持つ高度人材が定年後も社内外で活躍できる受け皿としての役割も担う予定。こうした人材も含め3年後には100人規模を見込む。
年代別にそれぞれ施策を提供する。高度シニア人材には再雇用などの既存制度とは別に、仕事を通じて身につけた知識や人脈を生かせる場を提供する。プロジェクトマネジャーをはじめとした高度な専門性やスキル・資格を持った人材をNECグループ内外の職場に派遣・あっせんする取り組みを2021年度に始める。
また、現在56歳到達時としている管理職の役職定年を21年度から廃止する。
40歳以上の全社員には、定期的な研修の受講やキャリア面談などを必須とし、スキル向上や人生におけるキャリアの描き方に向き合う機会を提供する。
新施策「マイ・キャリア・デザイン」も導入。20―30代前半の社員に対するキャリア基礎研修を新設し、人材公募制度など会社制度の理解や適切な活用の習得を促す。
キャリア形成を図る人材公募制度に、人工知能(AI)を活用したマッチングサービスも導入する。社員が公開した職務経歴と、募集部門のニーズをAIがマッチングすることで、思いも寄らない活躍の場を示すことが可能という。
日刊工業新聞2020年10月20日