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エンジニアの待遇を改善、ウィンズ・ワークス・ジャパンの評価方法とは

エンジニアの待遇を改善、ウィンズ・ワークス・ジャパンの評価方法とは

「エンジニアの能力が正しく評価されていない」のが起業の動機

ウィンズ・ワークス・ジャパン(千葉県船橋市)は、ITエンジニアの派遣契約料金の最低でも65%を本人に還元する取り組みに乗り出した。「消耗品として扱われている」(山嵜社長)エンジニアの待遇を改善することで、優秀な人材を確保するのが狙いだ。経営者へステップアップする制度も設けており、「人を徹底的に大切にする」(同)ことで、事業を成長軌道に乗せる。

山嵜社長は起業前にIT系人材派遣会社でエンジニアとして開発現場で働く一方で、情報通信商材の営業や人材キャリアコンサルタントとして経験を積んできた。その15年間の中で疑問に感じ続けてきたのは「エンジニアの能力が正しく評価されていない」(山嵜社長)ことだ。

それはエンジニア以外がエンジニアを評価するためで、派遣契約料金の60―80%が人材派遣会社の取り分となるという。そこで「エンジニア主導、つまりエンジニアによるエンジニアのための会社をつくり、エンジニアの待遇を改善したい」(同)と2020年1月に起業した。

ウィンズ・ワークス・ジャパンは正社員として採用したITエンジニアを現場に派遣しており、現在、最大で派遣契約料金の70%をエンジニアに還元している。仮に仕事がなくなった場合でも最低で18万円の月給を保証する。社員が50人になった際には「最大で75%を還元する」(同)との目標を掲げる。

同社の特徴は起業を促すことにもある。その代表的な制度が「請負PM制度」だ。エンジニアが営業して獲得してきた業務を同社が請け負い、そのエンジニアがプロジェクトマネージャー(PM)となって納品すると、経費を差し引いた請負契約料金の50%をエンジニアに支払う。また「優秀なエンジニアが優秀なエンジニアをよんでくる」(同)という横のつながりを生かし、紹介したエンジニアを管理することで、そのエンジニアの派遣契約料金の1%を毎月支給する制度もある。

山嵜社長は「自分で営業ができる状態になったら、どんどん独立してほしい」と背中を押す。人を大切にすることを原動力に、25年3月期に社員を50人体制にし、売上高で3億5000万―4億円を目指す。

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