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【新型コロナ】工事は中止か継続か…ゼネコン各社で対応に苦慮

政府が7日に発令した緊急事態宣言を受け、大手・中堅ゼネコンの対応に違いが出ている。西松建設など一部の中堅ゼネコンが工事中止・現場閉所に向け発注者との協議を始めた。一方、多くのゼネコンは緊急事態宣言の対象となった自治体の動きを注視する形での様子見状態。工事中止となれば、工期延長やコスト負担について発注者との難しい協議が避けられないからだ。発注者が自治体の要請に応じなければ、工事を継続する見通し。今後、現場では個別の対応が求められそうだ。

西松建設は緊急事態宣言が発効した8日、自社のホームページ上で「施工中の現場について、発注者と協議の上、工事中止・現場閉所を基本方針とする」と表明した。対象は政府が発令した東京、大阪、神奈川、埼玉、千葉、兵庫、福岡の7都府県。ただ、同社の広報担当者は「新型コロナウイルス感染拡大を防止するという企業の社会的責任を果たす姿勢を示すためで、あくまでも発注者との協議の上、合意された場合に限る」としている。

これに対し、ある大手ゼネコンは、「今後、自治体が発表する自粛要請の中身を精査した上で必要があれば発注者と協議した上で判断する」という。また別の大手ゼネコンも、「こちらから発注者に協議を持ち出すことはない」と消極的。自治体からの強い要請で発注者が動かなければ、安全対策に取り組みながら工事を継続する方針だ。

各施工現場では、入り口での検温、分散化するための少人数での朝礼、時差出勤など3密(密集・密閉・密接)を回避、作業員の安全対策を強化している。一方、施工中止や現場閉所となれば、完工の遅れ、諸コストの増加に伴う契約変更に向けた協議が必要となる。

ゼネコン側は“補償”について発注者側との協議を求める方針だが、あるゼネコンによれば「円滑に実施されるか疑問もある」という。


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日刊工業新聞2020年4月10日

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