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産地の要望受けいぐさ移植機22年ぶり復活、でも「再々生産」はなし

畳の文化を機械で支援―。クボタは畳の表面の材料となるイグサの生産に使用する「カセット式いぐさ移植機=写真」を再生産する。イグサ栽培は稲と同様、水田に苗を植える移植をする。同移植機はカセットと呼ばれる金属製の箱に詰めたイグサの苗を水田に植え付ける乗用式機械。クボタは1991年から同移植機を手がけていたが、住宅の洋風化などによる畳需要減もあり98年に撤退した。

熊本県で500年以上続くとされる「い業」。イグサは同県が全国生産量の98%を占めるという。クボタは熊本県いぐさ・畳表活性化連絡協議会(熊本県八代市)と熊本県経済農業協同組合連合会(JA熊本経済連、熊本市中央区)から機械生産の要望を受けた。

同移植機の価格は770万円(消費税込み)で88台を生産、苗の株分けやカセット詰めなどができる「いぐさ苗処理機」は220万円(同)で86台を限定的に再生産する。ただ今後の「再々生産」はしない予定。

日刊工業新聞2020年3月9日

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