原油や銅…商品先物市場は新型肺炎拡大で底割れ警戒

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原油の国際相場は、中国で発生した新型肺炎による景気へのマイナス影響を懸念し、下値を警戒する状況が続いている。足元では、実体経済への影響を見極めるため、下げ止まる気配も出ているが、戻りは鈍い。ニューヨーク市場の原油先物は近年の下値の節目となるバレル当たり50ドルが近づいており、当面は経済実勢を確認できる指標がない中、感染拡大次第で相場が底割れするかが注視されている。

ニューヨーク市場の米国産標準油種(WTI)先物は、日本時間30日13時時点で同52・7ドル近辺を推移しており、1月中旬に比べ1割程度安い。足元では下落が一服しつつあるが、感染への警戒が続く状況では上値が重い。

中国では2月2日に終了する春節(旧正月)の大型連休後も、2月10日頃まで工場の再稼働を見合わせる動きが広がっている。新型肺炎の感染が広がってさらに再開が先延ばしになれば、原油需要の減少懸念が高まって一段と原油相場が下落しかねない。

ただ当面は実体経済への影響を確認できる指標が出てこないため、目先では、感染の拡大ペースと近年の原油相場の下値に注目が集まる。野村証券の大越龍文シニアエコノミストは「直近2年では、(世界同時株安となった)2019年1月初旬など世界景気の失速懸念が高まった時以外、WTI先物は基本的に50ドルを下回っていない」とし、「目先では50ドルが一つの節目になる」と指摘する。

下落基調が続く銅地金相場も、19年秋に米中摩擦が再激化した際に一時付けたトン当たり5500ドル台にまで落ち込んできている。ロンドン金属取引所(LME)の銅地金3カ月先物は、日本時間30日13時時点でトン当たり5590ドル近辺を推移しており、底割れが警戒される。

目先では、感染拡大のペースや春節の大型連休後に市場に戻る中国勢の売買の動きなどを注視しつつ、原材料相場が節目の下値水準を割り込むかが注目される。

日刊工業新聞2020年1月31日

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