新型肺炎さらに拡大。日系の中国工場、「春節明け」操業延期相次ぐ

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アイリスオーヤマは中国の3工場の操業再開を延期するが、マスクのみ生産を続ける(大連工場のマスク生産ライン)

新型コロナウイルスによる肺炎感染の拡大に伴って中国の上海市や蘇州市などが春節(旧正月)休暇明けの就業再開を延期するよう通達したこと受け、日本企業は工場の操業再開を延期するなどの対応に追われている。再開時期は未定という企業があるほか、物流の混乱などを背景に順調に操業が再開できるか懸念の声も出ている。

ホンダは中国・天津市と江蘇省太倉市の2輪車工場を当初の2月3日から同9日に生産再開を延期する。上海市の2輪事業の研究開発拠点は当初予定の2月2日から同10日に営業再開を変更する。今は春節休暇で工場の稼働を止めている。

ホンダ系部品メーカーでは、ケーヒンが広東省東莞市と江蘇省南京市の工場、上海市の研究開発拠点を行政の通達により、2月3日からの稼働を延期する方向で検討している。エフテックも同様に広東省中山市の工場で生産再開を延期する方向で調整している。

TOTOも上海市の要請に従い、上海にある華東・上海工場の2工場を2月9日まで稼働停止する。その後の生産再開時期は未定という。華東では衛生陶器、上海工場ではウォシュレットを生産している。生産調整などについては調査中としている。

アイリスオーヤマは中国現地3工場の操業再開の延期を決め、大連市の大連工場は2月2日まで、蘇州市の蘇州工場と広州市の広州工場は同9日まで原則停止する。ただ、大連と蘇州で生産するマスクについては中国国内でも感染防止で需要が高いため、例外的に生産を続けるという。パナソニックは蘇州市にあるリチウムイオン電池工場の稼働停止を2月8日まで延長する。

また、上海市内でレーザー関連装置を製造するフィジカルフォトンは当初31日の再稼働を予定していたが、2月10日からの稼働再開に変更した。温和斌社長は「10日程度の稼働停止なら影響はない。ただ、それ以上延びると納期の遅れなどが懸念される」と唇をかむ。

広東省東莞市にグループ会社がある南信精機製作所も2月9日まで春節休暇を延期したが「9日から中国全土で移動が始まると見られるため、物流の混乱なども見込んで本格的な始動は17日以降になるかもしれない」と見ている。

ほかにも、日本製鉄が中国鉄鋼最大手の宝山鋼鉄と合弁で運営する自動車用鋼板の製造会社「宝鋼日鉄自動車鋼板」(上海市)の工場は操業を続けているが、工場が立地する宝山鋼鉄の製鉄所の操業を今後どうするかについて、同社と上海市当局が協議している。結果次第では製鉄所構内にある合弁工場も、休止を余儀なくされる可能性がある。

日刊工業新聞2020年1月30日

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