新型肺炎の爆発的広がりを防げ!事前に受けておきたいワクチン一覧

情報発信の共同プロジェクト、接種を呼びかける

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Image by Gerd Altmann from Pixabay

新型コロナウイルスの感染が拡大し、世界的に警戒感が高まっている。感染症が広がる要素として指摘されている、時間・空間的な人の集中「マスギャザリング」における感染症の予防、拡大防止への取り組みが急務。日本感染症学会と日本環境感染学会は製薬企業などと連携して感染症予防の情報発信を行う共同プロジェクト「FUSEGU2020」を開始した。訪日外国人の増加や東京五輪・パラリンピックといった大イベントに向け、感染症拡大の防止に備える。(取材・安川結野)

マスギャザリングとは一定期間において限定された地域に国内外から人が多数集まることを指す。オリンピックをはじめとするスポーツイベント、音楽フェスティバルなどが主に該当するが、年末年始や大型連休など、人の往来が活発になる時期も油断はできない。

日本感染症学会理事長で東邦大学教授の舘田一博氏は「現在中国で流行する新型コロナウイルス関連肺炎も問題となる感染症の一つ。SARS(重症急性呼吸器症候群)ウイルスに近いことを考えると油断はしてはいけない」としつつ、「過去の情報を参考に正しくリスクを評価するのが重要。国民がパニックになることは避けなければならない」と強調する。

感染症の制御はまず病原体を持ち込まないことが重要となる。そのために、空港で国内に入らないような取り組みの強化が求められる。さらに人への感染経路を断ち、ワクチンの接種で防御能を上げることが感染拡大を防ぐのに効果的だ。

政府は東京五輪・パラリンピックに向け、風疹や麻疹、ラグビーワールドカップ開催時期に患者が確認された侵襲性髄膜炎菌感染症などの情報を発信し、感染症リスク評価を行っている。また、こうした感染症に対して日本感染症学会と日本小児感染症学会は、一般の人や医療従事者、イベントなどの大会関係者らを区分し、ワクチン接種を呼びかけている。

舘田理事長は「感染症の拡大をどう防いでいくか、リスクは何かといったことは医療従事者だけの問題ではない。一般市民を巻き込んだ啓発が重要だ」とFUSEGU2020の意義を強調する。

日本環境感染学会理事長で東京慈恵会医科大学教授の吉田正樹氏は「東京五輪・パラリンピックが半年後に迫っている。FUSEGU2020を通じて、国内に持ち込まれる感染症がアウトブレーク(爆発的広がり)を起こさないように、できることを行っていきたい」と話す。

日刊工業新聞2020年1月27日

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