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企業と顧客との接点、認証継続期間が世界一になった日本企業

日立システムズ、「次世代コンタクトセンターサービス」も見据える
企業と顧客との接点、認証継続期間が世界一になった日本企業

コンタクトセンターは顧客との重要な接点になる(イメージ)

 日立システムズは、コンタクトセンターの運営管理手法を評価するグローバル規格「COPC認証」を15年連続で取得した。同社によると認証継続期間が世界一になったという。同社のコンタクトセンターは、一般的なコールセンター業務だけではなく、ITスキルが求められる「テクニカルサポートサービス」も提供する。さらに業務のノウハウを他社に提供する「次世代コンタクトセンターサービス」にも取り組むなど、付加価値の高い顧客接点を実現している。

 企業と顧客との接点は、従来の電話やメールから、会員制交流サイト(SNS)などに変化している。企業は時代背景やトレンドを反映したカスタマーエクスペリエンス(CX)を提供する必要がある。COPC認証は、米COPC(ニューヨーク州)が定めるコンタクトセンターなどの業務で高い運営・管理能力があることを示すグローバル規格。同認証を取得しているのは日本で28組織、世界でも96組織のみだ。

 日立システムズはコンタクトセンターサービスを全国複数の地域で展開する。特徴はシステムの構築、運用から監視までをワンストップで提供できることだ。もともとは日立グループのソフト・ハードウエアのサポートを行うために設置した。現在は情報技術関連の製品だけではなく、顧客のニーズをデータ分析したり、機器が故障した際のヘルプデスクや修繕の発注を行ったり、指示命令系統の中核として稼働する。コンタクトセンタ&ビジネスサービス事業部の武藤博信本部主管は「全体のマネジメントが仕事。ノウハウとITを使って業務を行う」と話す。

 日立システムズが力を入れているのが「次世代コンタクトセンターサービス」だ。長年コンタクトセンターを運営して培ったノウハウを他企業へ提供する。コンタクトセンターサービスをアウトソーシングできない企業向けにはインフラ設備を提供している。

 コンタクトセンターを活用した分析サービスは今後の成長が期待できる。コンタクトセンターで吸い上げた消費者の声をビジネスにつなげるために、顧客とデータ活用に取り組む。例えば、洗濯機のクレーム数を下げたい場合、コンタクトセンターでは経験として5―6月になると洗濯槽の中にカビが生えやすくなり、クレームが増えていた。これをデータ分析により数字で把握することで、洗濯機の洗浄を案内する。これまであった消費者の声を、デジタル技術を活用し“見える化”した。

 日立システムズはコンタクトセンター業務で2018年度に300億円の売上高を目指している。
(文=川口拓洋)

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日刊工業新聞2019年1月22日

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