生産自動化で生まれた人員、キヤノンが1000人をデジタル開発に再配置

御手洗会長、大型買収後の一手を語る

 キヤノンの御手洗冨士夫会長兼最高経営責任者(CEO)は9日、事業構造の転換に合わせて人材の再配置を進める方針を示した。カメラなど既存事業で生産自動化を進めて余剰人員を創出。AI(人工知能)などの開発に不可欠なデジタル分野の開発部隊に約1000人単位を配置する。また「ナノインプリント」と呼ぶ最先端技術を使った半導体製造装置について、年内に本格投入を目指す考えも明らかにした。

 キヤノンは2020年までの5カ年計画でネットワークカメラや医療などで大型買収を実施し、事業構造の転換を進めてきた。一定の成果を上げたため、「次は社内体制も変える必要がある」(御手洗会長)と判断した。

 具体的には既存事業で余剰人員を創出し、職種転換させて成長事業に振り向ける。特に重視するのがAIなどデジタル人材の確保。御手洗会長は「社内で人材が不足している」とし、職種転換組を育成し人材を確保する。

 また年内をめどに、型を半導体ウエハーに押しつけて回路パターンを形成する「ナノインプリント」技術を使った半導体装置を市場投入したい考えだ。御手洗会長は「これまで試作機は東芝メモリ(東京都港区)に納入したが、今年から商品を(本格的に市場に)出したい。非常に期待している」と話した。
御手洗会長


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日刊工業新聞2019年1月10日掲載

梶原 洵子

梶原 洵子
01月11日
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昨年、御手洗会長にお会いした時、「雇用の確保を最も重視する」と語っていました。終身雇用は状況が変わらないイメージもありますが、事業構造が変わればスキルの変化を求められるキヤノンの終身雇用は、変化の連続だと思います。

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