30人選抜の検討会・コンペも…JR東海、生成AI活用の本気度
26年めど実用化
JR東海は生成人工知能(AI)の活用を広げるため、社内検討会を立ち上げ、新規事業やサービスの開発に乗り出す。30人程度を選抜して生成AIの活用を議論し、実用化できるアイデアはアジャイル開発でプロジェクトを進める。1―2年での実用化、事業化を目指す。また生成AIを生かしたアイデアを社内公募し、コンペを開催。生成AIを活用する機運を醸成し、業務効率化や収益拡大を目指す。
JR東海が立ち上げた生成AIの検討会は、年齢や階層に関係なく、30人で構成。検討会は2―3カ月に1回開催し、課題を設定してソリューションとなるアイデアを持ち寄って実用化、事業化を検討。2025―26年には実装、事業化することを目指す。コンペは12月に募集を締め切り、審査を経て25年1月末に優秀提案を決定。同じく優秀提案の実用化、事業化を進める。
JR東海は生成AIによる旅客案内サービス「JR東海AIナビ」の実証実験を実施しているほか、顧客からの問い合わせに生成AIがメール回答案を作成する仕組みを導入するなど、生成AIの活用を進めている。社内外で蓄積するビッグデータや生成AIの活用で販促や新サービスの導入につなげ、鉄道事業での工事や保全などの業務での効率化も図る。
鉄道各社では、JR東日本が鉄道の法令や規則、技術などの専門知識を学習した鉄道版の生成AIを開発し、27年をめどに完成を目指している。将来的に生成AIの提案から社員が最終判断するなど業務負荷低減を目指すほか、他の鉄道事業者への展開も視野に入れる。
日刊工業新聞 2024年11月28日