新宿駅西口が変わる…高さ260mの高層ビル着工、再開発続く
小田急電鉄など3社は25日、敷地面積1万5000平方メートル超の「新宿駅西口地区開発計画」の新築工事を開始した。2029年度に完成する。小田急線新宿駅から東京メトロ丸ノ内線新宿駅手前までの地区を一体開発し、高さ260メートルの高層ビルを建築する。同計画は広域の都市再生計画「新宿グランドターミナル」構想の先駆けで、今後、京王電鉄などによる再開発が続く。世界有数の都市が変わり始める。(梶原洵子)
新宿駅西口地区開発計画は小田急電鉄と東京メトロ、東急不動産の3社が共同で取り組む。25日、起工式を行った。総工事費用は非公表。小田急百貨店本店や新宿ミロードなどを解体し、西側に眺望施設やイノベーション拠点、商業施設、オフィスを備えた高さ約260メートルの複合ビルを建設する。
他社の計画と連携して新宿駅の南北、東西を貫くデッキなどの歩行者動線を整備し、回遊性を高めるほか、にぎわいを生む交流広場などを整備する。災害時に帰宅困難者が一時滞在できるエリアを合計約5600平方メートル分準備し、防災機能を強化する。「都市再生に貢献したい」(小田急電鉄担当者)と意気込む。
また、新宿駅は日本最多の乗降客数を誇っており、鉄道運行を続けながらの工事は安全対策が重要となる。
現在、東京都内では各地で大規模な再開発が進む。例えば、東京駅日本橋口前には日本一となる高さ約390メートルの超高層ビル「トーチタワー」が27年度に竣工する計画だ。他の地区に対し、新宿は日本有数の商業地であり、西側にオフィス街、少し離れると住宅もある多面性のある街だ。「新宿はいろんな顔を持つ。新しい施設でもそれを表現したい」(同)とする。再開発で新宿の個性に磨きをかける。
日刊工業新聞 2024年03月26日