ＪＲ貨物は１１日、富士通と共同で鉄道車両のメンテナンス業務を支援する「車両管理システム」を全国の鉄道事業者向けに展開すると発表した。紙ベースの検査修繕情報を電子化し一元管理することで、メンテナンス業務の省力化や作業品質の平準化を図る。ＪＲ貨物が自社の実績を基に鉄道各社への導入支援を行い、システム導入から短期間で運用定着化までを実現する。

ＪＲ貨物のメンテナンス業務の課題やノウハウを基に富士通が同システムを開発した。ＪＲ貨物は同システムを使い、管理業務の工数削減や法令違反の予防、定期検査周期の見直しによるメンテナンスコストの削減といった高い導入効果を得たという。

同システムは、標準機能に業務を合わせる「フィット・トゥー・スタンダード」をコンセプトにした。ベースになる基本システムのマスターに、個社ごとのデータを設定することで展開する。

同システムの共同展開にあたり、富士通が同システムを導入し、ＪＲ貨物が車両情報の初期投入、検査記録表の基本様式作成支援などのシステム導入時のサポートを実施する。導入企業の負担を軽減し、システムの運用定着化を実現する。