低価格帯も…キヤノンがVR撮影対応デジカメ機種増やす、利用者拡大なるか
キヤノンは視野が180度の仮想現実(VR)映像を撮影可能なシステム「EOS VR SYSTEM」に対応するデジタルカメラの機種を拡充する。従来は3機種が対応しているが、フルサイズセンサーより小さいAPS―Cサイズのセンサーを搭載するカメラも対象とする計画。低価格帯のカメラも同システムに対応させることで利用者層の拡大を狙う。戸倉剛専務執行役員は「複数の選択肢を揃えられるようにしたい」と意欲を示す。
同システムに対応するには専用のレンズが必要となる。APS―Cサイズセンサー搭載のカメラに装着できる専用レンズを発売する予定。具体的な発売時期は明らかにしていないが「2024年内の可能性もある」(戸倉専務執行役員)。現行の専用レンズ「RF5・2mm F2・8 L DUAL FISHEYE」には、ミラーレスカメラの「EOS R5」「EOS R5 C」「EOS R6 Mark II」が対応している。
キヤノンはカメラのほか、XR(VRや拡張現実〈AR〉などの総称)領域にも注力。戸倉専務執行役員は「イメージングが進む方向性としてはXRがある」とし、将来を見据えて研究開発を強化する方針だ。
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日刊工業新聞 2024年3月5日