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「売上高をけん引するのは半導体」…キヤノンの今12月期、営業益15%増

キヤノンは30日、2024年12月期連結業績(米国会計基準)の営業利益が前期比15・9%増の4350億円になる見通しだと発表した。為替動向は23年12月期とほぼ同水準とみており、半導体露光装置や医療機器の販売数量の増加が売上高の伸びをけん引すると見込む。プリンターやオフィス複合機はシェア向上による売り上げ増を図る。またコストダウンに加え、開発、生産、販売の経費構造を全面的に見直して利益の底上げにつなげる。

※自社調べ

浅田稔専務執行役員は24年12月期について「売上高をけん引するのは半導体だ」と強調した。半導体露光装置を含むインダストリアル部門の営業利益は前期比23・4%増の723億円と見込む。ロジック半導体や生成人工知能(AI)用チップの需要拡大が寄与する。23年10月発売の「ナノインプリント」技術を使った半導体露光装置は「顧客から想定以上の反応がある」(浅田専務執行役員)。

単位億円、増減率%、下段通期見通し、▼は赤字・マイナス。配当がある場合の上段カッコ内は前の期の実績、下段通期見通し

医療機器も新製品の発売に加え、22―23年に投入した製品の売り上げが貢献する。メディカル部門の営業利益は同45・3%増の460億円の見通し。複合機などのプリンティング部門の営業利益は同12・1%増の2559億円と予想した。

想定為替レートは1ドル=140円、1ユーロ=155円。23年12月期実績は1ドル=140・85円だった。

23年12月期連結決算は増収かつ各利益段階で増益となったが、中国や欧州の景気悪化を受けて10月公表値よりも下振れて着地した。


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日刊工業新聞 2024年01月31日

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