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EVバッテリー狙う。三井化学が素材需要開拓

EVバッテリー狙う。三井化学が素材需要開拓

シンガポールの既存タフマープラント

三井化学は電気自動車(EV)向け素材需要を開拓する。樹脂の知見を生かした設計や試作などを含めたコンセプト提案に注力し、バッテリー関連需要の獲得を目指す。2026―27年ごろの実用化を想定しており、グループ会社との連携も盤石にする。EV需要を取り込むことにより、モビリティソリューション事業の30年度コア営業利益目標を従来比100億円増の900億円に積み増す考えだ。

三井化学はEV向けで高機能エラストマー「タフマー」やポリプロピレン(PP)コンパウンド、接着性樹脂「アドマー」といった多様な製品群をそろえている。タフマーはEVや太陽電池向け封止材用途の拡大を見込み、シンガポールで新たなプラントを建設中。25年度の商業運転開始を予定している。

EVで重きを置くのがバッテリー関連だ。例えばバッテリーケースの場合、樹脂化によって軽量化するだけでなく、求められる強度や耐熱性と両立させることが重要になる。こうしたニーズに対応するため、設計やシミュレーションなどを含む素材のコンセプト提案を加速。26年ごろの実用化を目指す。

また、バッテリー部品向け機能樹脂の提案にも力を入れる。航続距離の向上や、高速充電に貢献できる各種製品を訴求。27年以降の採用に期待をかける。

新たな部材の提案にあたり、グループ会社で工業製品の開発支援を手がけるアーク(大阪市中央区)や、金型メーカーの共和工業(新潟県三条市)との連携も強める。

視線の先にある一つが、EV化に合わせて自動車メーカーが検討している「メガキャスト」への対応だ。車体構造を一体成形する生産技術で、共和工業のメガキャスト用金型に関わる取り組みや情報収集が素材需要の獲得などに生かせるとみる。一連の活動を通じてEV関連需要を取り込み、もう一段の事業成長につなげる構えだ。


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日刊工業新聞 2024年03月04日

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