日之出水道機器が量産へ、「ミネラルキャスティング材」の特徴
日之出水道機器(福岡市博多区、浅井武社長)は、樹脂を使った「ポリマーコンクリート」の一種であるミネラルキャスティング材の量産に乗り出す。工作機械や半導体製造装置の土台部材に使われる鋳鉄の代替素材として採用する需要に応える。専用の製造ラインを栃木工場(栃木県大田原市)に構築して4月に稼働する。年間売上高30億円を目指す。同材を素材として製造販売する例は珍しいという。
ミネラルキャステイング材は高減衰性や低熱伝導率、電気絶縁性が高いのが特徴。金属切削加工機の土台に使った場合、高速化や加工精度の向上が可能という。日之出水道機器は採用する機械メーカーの高性能機種の開発を支援する。また、ミネラルキャスティング材は鋳物に比べて形を作る際の二酸化炭素(CO2)排出が抑えられるとしている。
日之出水道機器はマンホールの蓋(ふた)メーカー。1970年代から土木分野への活用に向けたポリマーコンクリートの研究を続ける。21年からミネラルキャスティング材のメーカーを目指し、22年にドイツのミネラルキャスティング会社であるRAMPF Group(ランプグループ)の日本法人と事業提携した。また工作機械の加工について研究する東京大学大学院の杉田直彦教授と共同研究を進めている。
日刊工業新聞 2024年02月14日