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クボタが社外副業を解禁した背景事情

クボタが社外副業を解禁した背景事情

社外副業の導入は人材の流出を防ぐのも狙い(イメージ)

DX人材流出防ぐ

クボタは社外副業を解禁した。ホワイトカラーの職種を原則とし、まずはグループ会社を除く同社本体の管理職を含む正規雇用社員約7000人を対象とし、勤続年数は1年以上、就業時間外の副業を条件とする。社外での多様な経験や関係構築を促し、業務とのシナジー創出とともに、働き方の多様化でイノベーションやデジタルに資する人材のつなぎ留めを狙う。

同社は2030年までの長期ビジョンで、脱炭素やカーボンニュートラル温室効果ガス排出量実質ゼロ)に対応した研究開発を加速している。生産品目である農機・建機の自動化や電動化、水道管に特化したデジタルプラットフォームの開発などを進める中で、技術系採用では人工知能(AI)や情報通信技術(ICT)などに関連するデジタル変革(DX)人材の採用に力を入れている。

ただ「イノベーションやデジタル分野で活躍している人こそ視野が広く、外に目が向いている」(渡部猛雄人事部長)のも事実。社外副業の導入は、それら人材の流出を防ぐのが狙いだ。これまで同社では各事業部門が人材を公募する人材公募制度や、社内副業を開始するなど、近年働き方の多様化を進めており、社外副業はその一環でもある。

日刊工業新聞 2023年12月15日

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