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野村総研・BIPROGYは上方修正、NTTデータは当期減益…情報サービス7社の決算全容

野村総研・BIPROGYは上方修正、NTTデータは当期減益…情報サービス7社の決算全容

※イメージ

情報サービス7社の2023年4―12月期連結決算は、6社が当期増益となった。野村総合研究所(NRI)とBIPROGY(ビプロジー、旧日本ユニシス)の2社は24年3月期連結業績予想を上方修正した。企業のIT投資意欲は引き続き旺盛で、基幹システムの再構築やクラウド型ITサービスの導入などが進む。各社は主力事業が好調なうちに新たなビジネスの柱の確立を図るなど、中長期を見据えた施策を加速できるかが問われる。

※自社調べ

NTTデータグループは7日、24年3月期連結業績予想(国際会計基準)を据え置くと発表した。NTTリミテッドの連結拡大影響に伴って金融費用などが増加したことが当期減益の一因となる。

打開策として堅調な国内事業の増益効果を狙うほか、24年1―3月期に予定するデータセンター(DC)の売却などを挙げた。「売却益は前年比で数十億円ほど増えるのではないか」(中山和彦副社長)。DCの運営権を一部売却し、運営管理や保守は自社が担う想定で進めているという。

海外事業は4月から地域ごとの組織を設置するなど、新体制に移行する。「今期までは事業構造改革にコストをかけてきた。25年度に海外事業統合のシナジーとして300億円を目指す」(同)。

NRIは24年3月期連結業績予想の当期利益を23年10月公表比20億円増の820億円(前期比7・5%増)に引き上げた。「従業員のボーナス改善に伴う賃上げ税制の効果が(当期利益で)20億円程度となる見通し」(安斎豪格代表取締役専務執行役員)。売上高や営業利益の予想は据え置いた。

ビプロジーは売上高を23年4月公表比180億円増の3680億円(前期比8・3%増)、当期利益を同15億円増の235億円(同16・3%増)に上方修正。足元の受注状況が好調なためとしている。

日鉄ソリューションズ(NSSOL)は、親会社の日本製鉄が23年12月に米鉄鋼大手USスチールの買収計画を発表したことが今後の業績にどう影響するかが注目される。だが「まだ買収自体もされたわけではない」(東條晃己取締役上席執行役員)としてコメントを控えた。

日刊工業新聞 2024年02月08日

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