NTT東日本が新会社で推進、「キャンプ場DX」とは?
アプリ予約・チェックイン
NTT東日本は2024年度をめどにデジタル変革(DX)で公営キャンプ場の再生を担う新会社を設立する。スマートフォンアプリケーションで予約や宿泊手続きができるシステムを導入。仕事をしつつ余暇も楽しむ働き方のワーケーションを行えるトレーラーハウスを設置して平日の利用率を高める。周辺の観光施設との宿泊セットプランなどで来訪者の周遊を促し、地域活性化につなげる。まずは10施設から始め、早期に100施設の運営を目指す。
このほど千葉県にある5カ所のキャンプ場で予約・チェックインアプリの実証実験を始めた。同アプリは温泉やイチゴ狩りなど周辺観光施設の電子チェックインにも対応できる。これにより周遊効果を高め、地域のDXを促進。一連のデータを収集・活用することで地域経済の活性化につなげる。
カンバーランド・ジャパン(長野市)と連携し、同社が扱う情報通信技術(ICT)対応トレーラーハウスも活用する。広さは約35平方メートルで、トイレや浴室、キッチンが付いたタイプの本体価格は約1000万円(消費税抜き)から。Wi―Fi(ワイファイ)設備も備え、ウェブ会議に対応したワーケーション用宿泊施設や無人販売所として利用できる。
給水タンクや太陽光パネル、蓄電池も設置可能。通常時はキャンプ場の宿泊施設として活用しつつ、災害発生時は輸送車でけん引して被災地に運び、仮設の住宅や保健室として活用できる。
NTT東は主力の光回線事業の成熟化を受け、新たな成長源として地域活性化をDXで支援する新事業を相次ぎ打ち出している。今回は老朽化や収益悪化でICTの導入が進んでいない公営キャンプ場に着目。NTT東が設立予定の新会社が指定管理者となって運営を効率化し、宿泊者の体験を高付加価値化して収益を改善させる。将来はキャンプ場の直営も目指す。