次世代通信基盤「IOWN」研究加速、NTTが452億円の経産省支援で開発するもの
NTTは、自社グループやパートナー企業と実用化を目指す次世代通信基盤の構想「IOWN(アイオン)」の研究開発で経済産業省から452億円の支援を受けると発表した。支援期間は5年間。IOWNの構成要素で半導体回路の通信を電気から光に置き換える「光電融合技術」の実装開発プロジェクトが対象となる。
経産省が所管する新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が公募した「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業」の実施企業に採択された。
同事業の研究開発テーマのうち、光チップレット実装技術では、古河電気工業、新光電気工業らとともに光電融合技術を用いたパッケージ内光配線技術の開発に取り組む。
具体的には、光集積回路と電子集積回路を高密度パッケージング技術でハイブリッド実装した光電融合デバイスを開発する。NTTは第3世代のボード接続用光電融合デバイス「光エンジン」を25年度、チップ接続用の第4世代を28年度にも投入する計画を示していた。
キオクシアとは光電融合インターフェースメモリーモジュール技術、NECや富士通とは確定遅延コンピューティング基盤技術を開発する。
光電融合技術は米国や韓国なども実用化研究を強化している。斎藤健経産相は30日の会見で「主要な日本企業による共同開発で将来のゲームチェンジにつながることを期待する」と述べた。
日刊工業新聞 2024年01月31日