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トラック積載貨物を最適化、量子計算活用して40秒で組み合わせ導き出すシステムがすごい

NLJが外販
トラック積載貨物を最適化、量子計算活用して40秒で組み合わせ導き出すシステムがすごい

NLJのネロスを活用し、従来トラック3台で運んでいた荷物をダブル連結トラック1台で運ぶことに成功した

ネクスト・ロジスティクス・ジャパン(NLJ、東京都新宿区、梅村幸生社長)は量子コンピューターを活用し、トラック積載貨物の最適な組み合わせを40秒で導き出すシステムを外販する。当初の外販時期から前倒し、2024年度内に物流業者に提案する。人手で2時間以上かかる積載計算を短縮できるほか、積載率の向上に伴い、より少ない台数で輸送できる。トラック運転手不足が懸念される「物流の2024年問題」など社会課題の解決につなげる。

NLJは日野自動車の子会社。外販予定のシステム「NeLOSS(ネロス)」は現在、自社の物流業務や協業先との実証実験で用いている。外販にあたっては、荷主や中小規模の物流業者などでも活用しやすいよう、月額制や重量ごとの課金制の料金体系を想定。クラウド型のオープンプラットフォームとして販売する。

荷姿や重量、温度帯が異なる貨物の最適な積み付けと配車を素早く計算し、トラック物流の生産性向上を支援する。通常は「どの荷物をどの車両で運ぶか」や「荷室のどこに積むか」について時間を要していた。

発売後も運行ルートやダイヤグラム、運転手の運転時間といった項目を最適化できるよう精度を高める。26年度に発売を見込むバージョン2は、当日の荷物のキャンセルや繁忙・閑散期といった季節性の要因にもリアルタイムに対応可能なシステムを目指す。

23年12月に実施した社内実験では、二つの荷台をつないだ「ダブル連結トラック」とネロスを用いて、従来3台のトラックで運んでいた荷物をダブル連結トラック1台で運ぶことに成功した。また社外で効果を実証するため、アサヒグループジャパンとの実験も同12月に開始した。ビールや食品など複数の商材を扱う同社はそれぞれトラックを配車し効率が悪かったが、ネロスでトラック便数の削減を目指す。

物流業界では運転手に加え、日々の配車を検討する配車スタッフの不足も課題になっている。NLJの梅村社長は「ネロスは配車スタッフの代わりができる。広く活用してほしい」として発売を急ぐ方針だ。

4月から運転手に時間外労働の上限規制が適用されるため、運転手不足が懸念されている。政府は何も対策を講じなければ、30年度に輸送力が34%不足する可能性があるとしており、今通常国会で物流効率化の促進に関連する改正法案を提出する方針だ。

日刊工業新聞 2024年02月01日

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