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物流24年問題対策広げる。家庭紙輸送パレットを中堅企業にも

物流24年問題対策広げる。家庭紙輸送パレットを中堅企業にも

輸送用パレットの導入を促し、配送時の積みおろしを効率化する(大王製紙のパレット導入現場)

日本家庭紙工業会(小川満会長=大王製紙上席執行役員)は物流の2024年問題に対応し、トイレット・ティッシュペーパー輸送用パレットの導入を促進する。大手数社で先行導入する標準パレットを中堅企業にも広げることで、配送時の積みおろしを効率化する。さらに商品規格統一の可能性を探るため、改善事例やその効果を共有し、見直し機運を醸成する。こうした見直しにあたって想定される設備導入コストなどの課題を整理する。

物流の24年問題では時間外労働時間の上限規制などで従来通りの配送が難しくなるとみられ、家庭紙メーカーでも輸送リードタイムの確保や作業時間の短縮が迫られている。

大王製紙や王子ネピア(東京都中央区)、日本製紙クレシア(同千代田区)などは数年前に「家庭紙パレット共同利用研究会」を設立し、配送用パレットの標準化と共同運用を進めてきた。ここにきて各社での導入が本格化しており、この流れを中堅企業にも広げたい考えだ。

ティッシュなど家庭紙はかさばるが、「空気を運んでいるようだ」(関係者)と言われるように軽量だ。このため、従来はトラックに対する積みおろしは熟練者が手で行ってきた。パレットなら、まとまった量の荷役をフォークリフトで一気に行えるようになる。

ただ、製品を梱包(こんぽう)した複数の段ボール箱をシュリンクフィルムで巻き、パレットに積み付けるにはパレタイザーなどへの投資を要する。こうした課題への対応策も検討していく。

一方、製品サイズではティッシュの箱の寸法やトイレットペーパーの幅などが各社各様だ。企業によって製品の考え方や、原紙からどれだけの量を取るかを示す「取り都合」が異なるとされるためだ。商品の配送や店舗への陳列、環境問題などを勘案した上で、業界規格の統一についても広く議論し、実現に向けた条件を洗い出したいとしている。

日刊工業新聞 2024年01月11日

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