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旭化成が発泡ポリエチレンで本格的な海外市場開拓に乗り出す

旭化成が発泡ポリエチレンで本格的な海外市場開拓に乗り出す

発泡PE「メフ」はビーズ状で金型を使った成形に対応する

旭化成は物流の緩衝材として使われる発泡ポリエチレン(PE)「サンテックフォーム」「メフ」で、本格的な海外市場開拓に乗り出す。素材の柔軟性や緩衝性などの特徴を訴求。東南アジアを念頭に2024年度をめどに専任の営業担当者の配置を検討するほか、製品の設計に関わる国内技術チームの拡充も想定する。東南アジアでの物流の需要増を見据え、設計や加工を含めた体制を整備する。

東南アジアでは経済発展を踏まえ、サンテックフォームやメフを使った緩衝材の引き合いが増えているという。これまでは日本から営業などを支援していたが、現地に専任の営業担当を置くことでニーズにきめ細かく対応できるようにする。具体的な人員や場所など詳細は今後詰める。

グローバル展開に向けて、設計に関わるシミュレーショシステム「パオス」を担当する技術チーム「フォーム技術開発部」の拡充も検討する。パオスは設計のリードタイム短縮やコスト削減などに寄与する点が特徴。国内外の加工メーカーと最適なパートナー連携の拡大も視野に、顧客開拓につなげる。

サンテックフォームは板状で中小ロット向け、メフはビーズ状で用途に合わせた自由な設計に対応する大ロット向けに展開する。いずれも曲げても割れない柔軟性や耐久性、緩衝性などに優れ、自動車部品や半導体・医療機器関連などで物流時の緩衝材として需要が拡大している。サンテックフォームではサトウキビ由来のバイオマスグレードも用意し、環境負荷低減のニーズにも対応する。

特に国内では、「物流の2024年問題」が目前に迫っている。サンテックフォームやメフを緩衝材に使用することで製品を入れる箱容積の低減などが図れるため、物流の効率化に貢献できるとみて提案していく。


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日刊工業新聞 2024年01月29日

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