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丸紅がEV蓄電池リユース、高い経済成長見込まれるベトナムで需要取り込む

丸紅がEV蓄電池リユース、高い経済成長見込まれるベトナムで需要取り込む

丸紅は米B2Uの蓄電池リユース技術をベトナムで活用する(米国・カリフォルニア州)

系統・定置用に活用

丸紅はベトナムで電気自動車(EV)用蓄電池のリユース事業に参入した。同国のコングロマリット(複合企業)で蓄電池やEVの生産なども手がけるビングループと連携し、使用済み蓄電池を電力系統用や工場の定置用に使う。蓄電池に含まれる重要鉱物を有効活用するほか、供給の不安定な再生可能エネルギーの需給調整機能を提供する。高い経済成長が見込まれる同国でカーボンニュートラル温室効果ガス排出量実質ゼロ)関連の需要を取り込む。(編集委員・田中明夫)

丸紅はビングループ傘下のEVメーカーのビン・ファースト・トレーディング・アンド・プロダクションとEV用蓄電池の二次利用などについて覚書を締結した。商業施設向け蓄電池事業などで協業関係にあったビングループとの連携を、循環経済システムの構築に生かす。

ベトナムのEV市場で独占に近い状態にあるビン・ファーストのEV販売は、近年のベトナムの自動車販売台数の5―10%程度を占めるとみられている。サブスクリプション(定額制)によるEV提供も計画し、手元に戻ってくる使用済み蓄電池を系統・定置用に活用する。

丸紅の資本提携先であるスタートアップの米B2Uストレージ・ソリューションズの技術を使って蓄電池を解体・再梱包せずに効率的にリユースする。ベトナムは「消費者だけでなくEVと蓄電池のメーカーもそろっているのが魅力」(丸紅の増田優子電力新事業部第一課課長補佐)とし、丸紅の産業ネットワークを活用して市場を開拓する。

大手商社ではEVの蓄電池を有効活用する取り組みが広がっている。住友商事日産自動車と連携して回収した蓄電池を電力系統用に活用する施設を北海道千歳市に完成させた。三菱商事ホンダはEV搭載の蓄電池を電力系統に接続して売電できるサービスの検討を開始。蓄電池の利用価値向上を目指す。

日刊工業新聞 2024年01月15日

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