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アサヒ飲料の新商品、AI予測で収益拡大できるか

NECが共同実証
アサヒ飲料の新商品、AI予測で収益拡大できるか

実証実験の実施詳細(NEC提供)

NECは独自の人工知能(AI)と需要予測の知見を組み合わせ、収益拡大に向けた戦略立案の高度化の実証実験をアサヒ飲料と共同で実施した。アサヒ飲料の新商品の発売前時点において、需要予測のカギとなる類似性を判断するベンチマーク商品の選定や、類似品との差異分析による需要予測などを行った。

実証実験では過去に発売された新商品とベンチマーク商品の組み合わせについて、過去実績やマーケティング施策情報などを用いて分析。その結果、類似度のトップ10では過去、人によって選択された商品の7割程度を再現するとともに、データ化できていない要素も明確化できることを確認した。

類似品との差異分析による需要予測では、専門家による予測と同等の精度を実現した。商品別ではAI予測が専門家の予測精度を上回る事例も出た。

加えて、高度な需要予測に向けた管理指標の定義や業務プロセスも設計。これに基づき、売り上げ機会損失や棚卸し資産、物流費削減などを机上で評価した結果、年間3億円の削減効果が見込めることも確認した。

実証結果を踏まえ、12月からアサヒ飲料との連携を強化し、商品の欠品や余剰在庫を防ぐなどのプロセス改善に協力する。

日刊工業新聞 2023年12月28日

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