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「炭素間二重結合」位置特定、島津製作所が「化合物構造解析向け装置」投入

「炭素間二重結合」位置特定、島津製作所が「化合物構造解析向け装置」投入

島津製作所が開発した四重極飛行時間型質量分析計「OAD―TOFシステム」

島津製作所は脂質や天然化合物の構造解析に最適な装置を発売した。2002年にノーベル化学賞を受賞した田中耕一氏が所長を務める、同社の研究所が開発した新技術を実装。従来困難だった、化合物の特性を読み解く上で重要な「炭素間二重結合」の位置を特定できる。製薬会社や研究機関などの利用を見込む。消費税抜きの価格は、質量分析計と組み合わせた1式で7500万円から。年間25台の販売を目指す。

発売したのは、炭素間二重結合の位置を特定する四重極飛行時間型質量分析計「OAD―TOFシステム」。

化合物は同結合の位置や有無によって、成分が似ているものでも機能や性質が変わる。同分析計では原子状の酸素を反応させることで同結合を解離し、それによって生まれたイオン片から同結合の位置情報を分析する。

同分析計の活用により、従来手法では難しかった「化合物の詳細な成分などを特定できるようになった」(田中氏)。これにより、病態のメカニズム解明や医薬品開発、食品が身体に与える影響・効果などの解明に貢献できるという。

日刊工業新聞 2023年12月26日

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