島津がPCR検査市場に参入、小型・低価格で一気に普及するか

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診療所向けで小型の全自動PCR検査装置

島津製作所は新型コロナウイルスの感染有無を調べるPCR検査装置市場に参入する。地域医療で最前線の診療所なども導入しやすい低価格で、ランニングコストも抑えた全自動装置を27日に発売。島津製の新型コロナ検出試薬キットも一緒に提案する。全国的な感染再拡大で、検査体制の拡充が急務となっている。経済活動や海外渡航再開に向け、無感染を証明する用途でも検査需要の増加が見込まれる。

島津は分析機器や医用機器など手がけるが、同装置は初。「遺伝子解析装置オートAmp」は価格190万円(消費税抜き)。販売目標は年3000台。

1台で4検体の同時測定が可能。前処理からの全自動化で人為ミスを防ぐ。パソコン1台で同装置4台まで制御でき、検査体制を柔軟に拡充できる。サイズは幅30センチ×奥行き65センチ×高さ66センチメートルと小型。検体容器や分注チップ周囲の空気を装置内部に吸引、特殊フィルターを通し排気する。

発熱外来の指定病院や地方衛生研究所、検査受託会社で一般的なPCR検査装置は一度に多数の検体を検査するタイプが多く、価格は500万円以上など高額で、普及の妨げになっていた。

新製品はまとまった数を待たずに柔軟対応できるため、規模の小さな診療所などでも採用しやすい。さらに島津の試薬は短時間で測定できるため、検査全体を効率化できる。

島津は今春、感染症対策プロジェクトを設立。直近では産学連携で呼気から新型コロナの感染有無を診断する新手法を開発した。航空機パイロット向けヘッド・マウント・ディスプレーを応用し、医療従事者向け診断アシスト機能付きフェースシールドの開発も進む。

日刊工業新聞2020年11月27日

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