NEDO「CO2輸送船」実証へ、京都・舞鶴市―北海道・苫小牧市を航行
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、完成した液化二酸化炭素(CO2)輸送の実証試験船「えくすくぅる」の引き渡しを受けた。京都府舞鶴市と北海道苫小牧市の陸上基地を航行して最適輸送条件を求める。CO2の回収・利用・貯留(CCUS)を実証してカーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)の実現につなげる。
タンク容量は1450立方メートルで三菱重工業が造船した。マイナス50度C、0・6気圧での低温低圧輸送を実証する。CO2は低温では凍るため、液体状態を保てる輸送条件を特定する。陸上基地の荷役設備やタンクの機能を併せて評価し、大量輸送技術を確立する。
運航や実証試験は日本ガスライン(松山市)やエンジニアリング協会(ENAA)などが担う。CO2は火力発電所などの排出地とCCSなどの貯留地が離れているため効率的に輸送する必要があった。
輸送船のタンクは中温中圧での輸送も可能。液化石油ガス(LPG)も運べるため、輸送船の運用効率も検証できる。
日刊工業新聞 2023年11月30日