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三菱造船がLNG船エンジ拡大、30年度に9割増の売上高1000億円

三菱造船がLNG船エンジ拡大、30年度に9割増の売上高1000億円

液化CO2輸送の実証試験船(イメージ)

三菱造船(横浜市西区、北村徹社長)は、2031年3月期をめどに売上高を23年3月期実績比約9割増の1000億円程度に引き上げる方針だ。液化天然ガス(LNG)燃料船のガス供給システム「FGSS」などのエンジニアリング事業を成長ドライバーに据え、31年3月期の売上高に占める新造船事業との比率を半々にすることを想定する。国際海事機関(IMO)の脱炭素の新目標を受け、中長期では液化二酸化炭素(CO2)輸送船など脱炭素の新造船需要を取り込む。

三菱造船の23年3月期の売上高は536億円。現状はおよそ新造船2に対してエンジニアリング事業1の割合という。IMOが50年ごろまでに国際海運の温室効果ガス(GHG)排出を実質ゼロにする新目標を決めたことを受け、重油からクリーン燃料に転換する動きが強まる。三菱造船の商機も広がっており、「30年が一つの節目になる」(北村社長)とする。

自動車運搬船を中心にLNG燃料船の発注が相次ぐ中、三菱造船はFGSSの国内シェアが5割超とみられる。またアンモニア燃料利用のための供給装置や周辺設備のパッケージシステムの開発も進める。こうした環境技術や、船型開発や幅広い設計・解析支援などによりエンジニアリング事業を伸ばす。

新造船事業では特殊船やフェリー、自動車運搬船、官公庁船を中心に下関造船所(山口県下関市)江浦工場の生産性を高める。造船事業ではほぼ未活用の同大和町工場の艤装(ぎそう)岸壁を整備するほか、大型フェリーの構造物などを製造できるようにし、2工場連携で建造効率を向上。他造船所への生産委託なども通じて事業を拡大する。

中長期では液化CO2船舶輸送船の需要拡大を見込む。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のCO2の回収・利用・貯留(CCUS)プロジェクトで使う小型の実証試験船を建造しており、今後は今治造船(愛媛県今治市)とジャパンマリンユナイテッド(横浜市西区)の共同出資会社である日本シップヤード(東京都千代田区)と大型船の共同開発も進める。

日刊工業新聞 2023年10月11日

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