業界最多の有効画素数532万画素…ソニーセミコンが開発、短波長赤外画像センサーが可能にすること
ソニーセミコンダクタソリューションズ(神奈川県厚木市、清水照士社長)は29日、業界最多の有効画素数となる約532万画素の短波長赤外(SWIR)画像センサーを開発し、2024年2月に産業機器向けにサンプル出荷を開始すると発表した。独自の接続技術の採用で、SWIR画像センサーとして業界最小の3・45マイクロメートル(マイクロは100万分の1)の画素サイズを実現。さらに画素構造の最適化により、SWIRまでの広帯域で高精細な撮像を可能にした。
開発した画像センサー「IMX992」は、受光部のフォトダイオードを形成するインジウム・ガリウム・ヒ素層と、読み出し回路を形成するシリコン層を銅端子で直接接合することで、業界最小の画素サイズを可能にして多画素化につなげた。また、多画素化により、微細な対象物の検出や広範囲の撮影が可能になり、SWIRを使う検査の精度向上に貢献できる。
このほか新たに搭載した撮影モードにより、暗い環境下でもノイズを大幅に抑えた高画質の撮影を実現した。
産業機器の分野では生産性向上や不良品の排除のため、より高精度なセンシング技術の活用が求められている。
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日刊工業新聞 2023年11月30日